「あんた、あんた」
肩を揺さぶる妻の声で目を覚ます。
寒さの続く冬には珍しい小春日和に
つい、微睡んでしまったようだ。
いつの間にか掛けてあった妻愛用の
ひざ掛けに気づき礼を言うと
「あの子らが孫連れて来るんを
楽しみにしとったのに
風邪を引いたらあきまへんさかいな」
いつものように妻がころころと笑う。

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