さて、というわけでマチュー・ガニオのアデュー公演のオネーギン。「美しくオペラ座を去りたかった」と定年前にこの作品で辞めることを決めたとインタビューにはあった通り、身体の衰えを感じさせず、芸術的には20年のエトワールの経験の積み重ねが感じられる、自身の最高の演技で締めくくった。
「できるだけ普段の舞台のように勤めたい、引退の実感はその後からくるのかも」と語っていたのでできるだけこちらもいつもの舞台を見る気持ちで、平常心で、と思って見ていたが、こちらも4月に引退を控えたリュドミラ・パリエロとの最終幕のPDD前には、これで二人の演技が終わるのか、と感極まってしまった。

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