眠りも蕩ける夜の果て、夜に夜を呼ぶ女が舞う。黒蟻と呼ばれる女を見つめるのは蟻王であり赤蟻であり、畏怖と侮蔑を一身に集める小柄な女。手を叩き、更に夜を深めるよう黒蟻に乞う。黒蟻はそれに応え、より激しくより力強く。深まる夜はもう明けることのない濃色をしていた。

Xで投稿した140字小説です。
ノベルアッププラスへ投稿した作品を改稿して、入れたいなと思っているワンシーン。
赤蟻様と呼ばれる王と踊り手の話で、
コンテスト参加作品でした。
https://novelup.plus/story/653774784

Comments