名古屋近辺でウナギを食べるというと、ここ三十年ほどは櫃まぶしがスタンダードになった。よく言われるように、1杯目はそのまま食べ、2杯目は薬味を添えて食べ、3杯目は出汁でお茶漬けにして食べるので、或る程度の味変が楽しめる。自分の金でウナギを食べに行く場合、これまでは大体まぶしだった。今でもまぶしは好きだが、胃の老化が自制を要求するようになった。
なにせ櫃まぶしのご飯の量は茶碗盛にして3杯以上ある。くわえてお茶漬けにすると、噛まずに胃の中に流し込まれてしまう。それでなくても脂肪分の多い魚に、甘いタレを付けて焼いて、そんな食べ方をしたら、胸焼けしないほうが不思議だ。
なにせ櫃まぶしのご飯の量は茶碗盛にして3杯以上ある。くわえてお茶漬けにすると、噛まずに胃の中に流し込まれてしまう。それでなくても脂肪分の多い魚に、甘いタレを付けて焼いて、そんな食べ方をしたら、胸焼けしないほうが不思議だ。
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今夜はそれにねらいを定めて出かけた。う巻きの付いてくるセットがあったら頼もうと思ったが、残念ながらメニューに載っていなかった。次善の策で、天ぷらと刺身の付いてくるセットを頼んだ。期待以上に美味しかった。ウナギは2切れしかなかったが、それで十分。揚げたての天ぷらは量は少ないものの専門店なみの揚がり具合だったし、薄く切られた刺身(僕は厚めの刺身が苦手だ)にはバラエティに富んだ妻が添えられていた。
僕自身が初めて櫃まぶしを食べたのは、熱田神宮の境内にあった蓬莱軒で、東京からの友人を連れて行ったり、学生時代の仲間を誘って行ったりしたが、間もなく店そのものが熱田神宮から追い出されてしまった。
その後は、順番待ち覚悟で松坂屋で食べるか、車を出して若干不便な本店(陣屋)に行くかしていたが、どちらもしんどいので、櫃まぶしをあきらめて、松坂屋の地下で長焼きを買って食べることが多くなった。
今日は母の祥月命日だったが、ついでに父の晩年のことも思い出してしまった。
当時の父は80歳。総入れ歯だったが、入れ歯をするのが嫌いだったので、歯無しで食べてしまった。
そう言えば、まだ要介護になる前に、一家揃って蓬莱軒(本店か、熱田神宮から追い出された後の神宮店)に行ったことがある。父は入れ歯をするのを忘れて行ったので、その時も歯無しでたぶん櫃まぶしのミニサイズ(メニューには載っていなくても店員に尋ねると注文できた)を食べたはずだ。