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57 days ago
7話のあたりの先生が好きで好きでたまらないけど我慢している那貴くんSS
#創作BL #商業BL #アンタは俺のオメガだろ
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57 days ago
オレは氷室那貴(ひむろなき)、高校三年生。
放課後の誰もいない教室で、いつものように窓の外を眺めていた。
夕日がオレンジ色の光を射しこむ中、机に肘をついて思考を巡らせる。
頭から離れないのは、担任の伊月真帆人(いつきまほと)先生のこと
――それと同時に、オレの身体を満たす得体の知れない熱だ。
オレはアルファで、先生はオメガ。
しかも“運命の番”だ。
初めて出会った瞬間、お互いがアルファとオメガだと本能でわかってしまった。
けれどオレは、オメガが大嫌いだった。
……正確に言うと、あの出来事があって以来、そう思うようになった。
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57 days ago
二年生の頃、オメガの女子にしつこく付きまとわれ、ストーカー行為まで受けて、身の危険を感じるほどだった。
結局、転校を余儀なくされて、いまのこの高校へ逃げるように移ってきたのだ。
それ以来、オメガとは関わりたくないと思ってきた。
なのに、先生は違った。
最初こそ本能が警鐘を鳴らし、「また厄介なことになるかもしれない」と強く拒絶したのに、先生の穏やかな声や、さりげない気遣いに触れるたび、胸の奥が軋むように揺れる。
運命の番の存在に反応するアルファの本能が怖くて、押し殺してしまいたくて、オレは抑制剤を飲み続けた。
副作用があって身体に良くないとわかっていても、そうしないと怖かったのだ。
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57 days ago
だって、先生の存在はオレのすべてを狂わせるくらい、強く惹かれてしまうから。
「……先生…会いたいよ…」
呟いて、思わず苦笑する。
先生は教師、オレは生徒。
ましてやアルファとオメガの“運命の番”であることを知ったところで、まともな恋愛が許されるはずがない。
先生自身も職業倫理を気にして距離を置こうとしているし、オレだって嫌われたくはない。
だけど、それでも抑えきれない想いが、この身体の中をどんどん熱くさせていく。
あの日、オレはついに抑えきれずに先生に思いをぶつけた。
先生を騙して番になったフリをしてたこと。
そうしないと他のヤツに取られそうで苦しかったこと。
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57 days ago
先生は最初は怒ったけど、オレの話を真剣に聞いてくれた。
そして卒業したら、オレの想いを受け入れてほしいと願った。
「……卒業しても、君の気持ちが変わらなかったら…」
その言葉に心が浮き上がった。
だって先生も決してオレを嫌ってはいない……いや、むしろ“番”としてオレを求めているはずだとわかったから。
だからこそ今の状況は苦しい。
待てと言われたからには従うしかない。
でも、アルファの本能は抑えきれない。
そばにいるだけで先生の匂いに酔いそうになるのに、いっそ嫌われた方が楽なんじゃないかと思うことすらある。
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57 days ago
「はあ……」
思わず深いため息をついたところで、教室の扉が静かに開いた。
ギクリとしてそちらを向くと、戸口には伊月先生が立っている。
こんな時間に教師がいるのは不思議じゃないが、よりによってこのタイミングで来るなんて。
オレの心臓は瞬間的に大きく跳ね上がる。
「氷室くん、まだ帰ってなかったの? 日が暮れるよ」
「……先生こそ、どうしたんすか」
なるべく平静を装うが、声が僅かに掠れた。
先生は困ったように眉を下げ、オレの座る席に近づいてくる。
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57 days ago
甘い香りがふわりと漂った瞬間、思わず息が詰まった。
くそ、まただ……。
下半身に熱が集まるのを感じたけど、先生の前でそんな姿を見せたくなくて、必死に我慢する。
「忘れ物をしたから取りに来ただけだよ。氷室くん、もしかして具合悪いの?」
「あ、いや……大丈夫。ちょっと、息苦しいだけ……」
息苦しいのは当然だ。
こんな至近距離で、オレの“番”であるオメガの匂いをまともに嗅いだら、まともな思考なんてできやしない。先生だって、アルファのオレがこんな様子なのを見れば、自分の香りのせいだと気づいているんじゃないか。
でも先生はあえて何も言わず、小さく息をついた。
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放課後の誰もいない教室で、いつものように窓の外を眺めていた。
夕日がオレンジ色の光を射しこむ中、机に肘をついて思考を巡らせる。
頭から離れないのは、担任の伊月真帆人(いつきまほと)先生のこと
――それと同時に、オレの身体を満たす得体の知れない熱だ。
オレはアルファで、先生はオメガ。
しかも“運命の番”だ。
初めて出会った瞬間、お互いがアルファとオメガだと本能でわかってしまった。
けれどオレは、オメガが大嫌いだった。
……正確に言うと、あの出来事があって以来、そう思うようになった。
結局、転校を余儀なくされて、いまのこの高校へ逃げるように移ってきたのだ。
それ以来、オメガとは関わりたくないと思ってきた。
なのに、先生は違った。
最初こそ本能が警鐘を鳴らし、「また厄介なことになるかもしれない」と強く拒絶したのに、先生の穏やかな声や、さりげない気遣いに触れるたび、胸の奥が軋むように揺れる。
運命の番の存在に反応するアルファの本能が怖くて、押し殺してしまいたくて、オレは抑制剤を飲み続けた。
副作用があって身体に良くないとわかっていても、そうしないと怖かったのだ。
「……先生…会いたいよ…」
呟いて、思わず苦笑する。
先生は教師、オレは生徒。
ましてやアルファとオメガの“運命の番”であることを知ったところで、まともな恋愛が許されるはずがない。
先生自身も職業倫理を気にして距離を置こうとしているし、オレだって嫌われたくはない。
だけど、それでも抑えきれない想いが、この身体の中をどんどん熱くさせていく。
あの日、オレはついに抑えきれずに先生に思いをぶつけた。
先生を騙して番になったフリをしてたこと。
そうしないと他のヤツに取られそうで苦しかったこと。
そして卒業したら、オレの想いを受け入れてほしいと願った。
「……卒業しても、君の気持ちが変わらなかったら…」
その言葉に心が浮き上がった。
だって先生も決してオレを嫌ってはいない……いや、むしろ“番”としてオレを求めているはずだとわかったから。
だからこそ今の状況は苦しい。
待てと言われたからには従うしかない。
でも、アルファの本能は抑えきれない。
そばにいるだけで先生の匂いに酔いそうになるのに、いっそ嫌われた方が楽なんじゃないかと思うことすらある。
思わず深いため息をついたところで、教室の扉が静かに開いた。
ギクリとしてそちらを向くと、戸口には伊月先生が立っている。
こんな時間に教師がいるのは不思議じゃないが、よりによってこのタイミングで来るなんて。
オレの心臓は瞬間的に大きく跳ね上がる。
「氷室くん、まだ帰ってなかったの? 日が暮れるよ」
「……先生こそ、どうしたんすか」
なるべく平静を装うが、声が僅かに掠れた。
先生は困ったように眉を下げ、オレの座る席に近づいてくる。
くそ、まただ……。
下半身に熱が集まるのを感じたけど、先生の前でそんな姿を見せたくなくて、必死に我慢する。
「忘れ物をしたから取りに来ただけだよ。氷室くん、もしかして具合悪いの?」
「あ、いや……大丈夫。ちょっと、息苦しいだけ……」
息苦しいのは当然だ。
こんな至近距離で、オレの“番”であるオメガの匂いをまともに嗅いだら、まともな思考なんてできやしない。先生だって、アルファのオレがこんな様子なのを見れば、自分の香りのせいだと気づいているんじゃないか。
でも先生はあえて何も言わず、小さく息をついた。