ポオの『アッシャー家の崩壊』をモチーフとしたホラー中編、T・キングフィッシャー『死者を動かすもの』が面白かったです。
語り手であるイーストンが選択した生き方の設定がとても良かった。冒頭で出会ったある人物との会話からして完璧な始まり。
このキャラクター造形を明かせば読みたくなる人が絶対にたくさんいると思うものの、でもこれは事前情報なしに読み進めるほうが良いし……というジレンマが。
とっても素敵な中高年女性が登場するのも良かったです!
語り手であるイーストンが選択した生き方の設定がとても良かった。冒頭で出会ったある人物との会話からして完璧な始まり。
このキャラクター造形を明かせば読みたくなる人が絶対にたくさんいると思うものの、でもこれは事前情報なしに読み進めるほうが良いし……というジレンマが。
とっても素敵な中高年女性が登場するのも良かったです!
Comments
ラストではこの語り手だからこその、異形のものへ対する心情が描かれていて、特に旧友マデリンの境遇や気持ちを理解するがゆえにイーストンが後ろめたさと羞恥心を抱くシーンは、作者がこうした心情をちゃんと書いてくれることに対してめちゃくちゃグッときた。
こうした人の営みと祈りと妄執が生む怪異と人間を真っ当に描くホラーがもっともっと読みたい。