「……それを聞いて安心しました。ならば、これは余計な物でしたね」
そう言って吸血鬼が手首を翻せば最深部への通路が消える。
「魔王城って広いの?」
「果てしなく。冒険するのは構いませんが、魔王討伐が目的ではないのなら余り深く入らない方がいいですよ。奥へ行くほど瘴気が濃くなる」
「うげっ」
「見たところ貴方は大丈夫そうですが、お連れの子にはまだ深部の瘴気は危険です。目安として3時間以内には魔王城を出てくださいね」
「ん、わかった。というかお前親切だな?」
「下心しかないのでお気になさらず」
「なるほど?でもサンキュ!」
そう言って吸血鬼の手を握る金色の瞳に葦の瞳も丸くなる。
そう言って吸血鬼が手首を翻せば最深部への通路が消える。
「魔王城って広いの?」
「果てしなく。冒険するのは構いませんが、魔王討伐が目的ではないのなら余り深く入らない方がいいですよ。奥へ行くほど瘴気が濃くなる」
「うげっ」
「見たところ貴方は大丈夫そうですが、お連れの子にはまだ深部の瘴気は危険です。目安として3時間以内には魔王城を出てくださいね」
「ん、わかった。というかお前親切だな?」
「下心しかないのでお気になさらず」
「なるほど?でもサンキュ!」
そう言って吸血鬼の手を握る金色の瞳に葦の瞳も丸くなる。
Comments
金色の瞳をした青年から吸血鬼を奪うように抱え、空間の歪みに消えたのは恐らく魔王の一人。
「もぉ〜〜〜!!あんな光の塊に触れたら火傷するに決まってるでしょ!?あれは魔族の、それも特に吸血鬼の天敵みたいな人間!ケージ君なら解るでしょ!それくらい!」
プリプリと怒りながら火傷をした葦の手に包帯を巻いていくオイカートールにクローさんは「やれやれ」と肩を竦め、魔王城に訪れた風変わりな人間をとくと眺めていくのだった。