ポインターインスティチュートという非営利のジャーナリズム教育/研究機関の2022年12月のオピニオン記事。なかなか示唆的だと思うので要旨を紹介したい。
まず、米国では一部大手メディアが成長する一方、地方紙の廃刊が相次ぎ、「ニュース砂漠」と呼ばれる地域が増えている。地域に関するまともな報道が行われなくなっているのだ。
結果的に、そうした地域に暮らす人々はより質の悪い、党派的な情報源に依存するようになり、虚偽情報にも頻繁に晒される。そのため、それらの地域の人びとのジャーナリズムに対する信頼は低下している。
https://www.poynter.org/commentary/2022/truth-can-win-if-we-change-course-and-focus-on-local-news/
まず、米国では一部大手メディアが成長する一方、地方紙の廃刊が相次ぎ、「ニュース砂漠」と呼ばれる地域が増えている。地域に関するまともな報道が行われなくなっているのだ。
結果的に、そうした地域に暮らす人々はより質の悪い、党派的な情報源に依存するようになり、虚偽情報にも頻繁に晒される。そのため、それらの地域の人びとのジャーナリズムに対する信頼は低下している。
https://www.poynter.org/commentary/2022/truth-can-win-if-we-change-course-and-focus-on-local-news/
Comments
全国メディアの記者もそれなりにローカルな地域の報道をしようとしているのだが、それがかえって逆効果になることもある。
それが顕著に現れたのが2016年のアメリカ大統領選挙。全国メディアの記者たちは「自分たちには見えていなかった」有権者を探し求めて小さな町にやってきた。
ところが、そうした報道がかえって地域の人びとの全国メディアに対する信頼を低下させることになった。
地域の人たちがもっと複雑な心情をメディアに伝えようとしても、それらのメディアは結局、あらかじめ決められたストーリーに回帰してしまう。
結局、都市部から記者が一時的に地方を訪問するような「パラシュート・ジャーナリズム」は、地方の人びとの全国メディアに対する懐疑心をかきたてることにしかならなかった。
「そのコミュニティの人々によって書かれた、そのコミュニティのためのローカルニュースが必要なのだ」
それらがなければ、虚実の入り混じった党派的なメディアの広がりを抑えることはできない。つまるところそれが、民主主義にとって必要なのだ。(紹介おわり)