『小松左京全集 完全版4』所収の『継ぐのは誰か?』は、人類進化SFということになるだろうが、失われた種族ものと言えないこともない。タツヤら仲間たちに学友であるチャーリイの殺害予告が届く。1回目は意識に呼びかける形で、2回目はヴィジフォーンを通して。誰が、何の目的でー。チャーリイ本人は笑い飛ばす中、タツヤらの奮闘もむなしく衆人環視の中でそれは果たされる。新人類が南米の奥地で密かに生まれ、隠れるようにして生きていた、というのは個人的にも大好物の設定。人類発祥の地といわれるアフリカじゃダメ?と思わなくもなかったが、夢中になって読めた。インドから保護したジャコポの設定が不明だが、やはり小松左京は面白い
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