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長谷川晴生(ドイツ文学、思想)のアカウントです。忝くも招待コードをいただき、試験的に開設しました。運用方針未定。 ・http://hhasegawa.la.coocan.jp/ ・[email protected] ・https://twitter.com/hhasegawa
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Prolific Poster

2000年代からSkypeユーザーだったので、ついにサーヴィス終了と聞いて感慨が深い。もっとも、2010年代に入ってからは類似アプリが多く台頭し、例えばチャットやオンライン通話ならLINEが圧倒的に使われるようになって久しく、こうなるのは時間の問題ではあった。往時はSkypeしかなかったのだが。 2000年代の海外在住者には、高額料金を要する国際電話と同じことをインターネットとSkypeで無料でできてしまう、というのがなかなか衝撃的であった。月数百円で固定電話にかけ放題になるプラン(これはいまなお代替がない?)も利用しており、祖父の訃報もそれで実家と通話して聞いたのだった。 (1/2)

注目していた、というのは、こうした「大学」がよりによって「リベラルアーツ」を名乗っている奇怪さゆえである。この手の経営者ならばそういったまさに金にならない領域をバカにしていても不思議ではないのに。連載の過去回(https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/column/fujitani_youtube/23906)でもそのあたりには疑問が呈されていた。 (1/2)

2年前にはじまってすぐ途絶した(?)連載が再開されていた模様。SNSやブクマでは特に言及しなかったものの、なにしろまったく知らない世界の話だったから注目はしており、お蔵入りにならなかったのはよかった。 shinsho-plus.shueisha.co.jp/column/fujit...

リンクを確認せずブックマークをポストしてしまった。現在では元の文章が消えている模様。探してみるとキャッシュがあったので、念のためそちらも掲載しておく。...相変わらず事前に書いておいた原稿を放流する方式で投稿しており、しばしばこうした事態に見舞われもする。 / archive.md/smu6p

事実認識の問題として、出てくる人名のうち氷河期世代はほぼいないのでは。もっとも、気に入らない年長者を一緒くたに「団塊」呼ばわりしてきたのがその世代前後で、自分も同じことをされる番になったにすぎないが。 anond.hatelabo.jp/20250123011348 調べてみると、ここで挙がっているうち純然たる氷河期世代は兵庫県知事(77年生)と京アニ放火犯(78年生)程度で、あとは年上か年下だろう。高卒者は80年代前半生まれも就職氷河期に見舞われたという説を採用しても、酒鬼薔薇やネオ麦茶は18歳にして「お勤め」ないし「院進」していたからまた異なる。

この情勢下、困難な立場にいるのはおそらく新潮社で、いまどき(漫画ではなく)新潮文庫の小説を好んで読む層は、こちらはむかしから大して変わっていない『週刊新潮』のような書きぶりを嫌うのではないか。そうした矛盾が露呈したのが、文芸誌の『新潮』が『新潮45』に抗議した一件だったと思われる。

文藝春秋は元来「文芸に立脚した保守メディア」として朝日はじめ新聞に対抗する会社であり、それはいまなお根本的には変わらないはずである。他方、時代に合わせその性格をアップデートして、現代人の想像する「保守」から(一見)離れたところが経営の妙で、昨今の圧倒的存在感の源泉であるといえる。 「文芸」的ダンディスムと政治における「保守」が両立した時代は、確かに存在した。しかし、「保守」なるものが「四六時中ヘイトスピーチがやめられないみっともない連中」程度のニュアンスに成り下がったいまとなっては、それはもはや困難である。かくして文春が朝日以上に彼らの敵となる時代が来た。

...冗談はともかく、以前も触れた(https://x.com/hhasegawa/status/1407443693791944704)「ナチス式敬礼の文化史」は書いてみたい気もする。なにしろ、右手挙手がろくな根拠もなくローマの敬礼とされてダヴィッドらによって広められ、ついにはファシストに採用される、という数奇な歴史である。興味ある方は声をおかけください。

昨年ごろから旧ツイッターで我々の共訳書のAmazonページ(https://www.amazon.co.jp/dp/4791775295?&linkCode=sl1&tag=hhasegawa-22)をリンクするとセンシティブ判定を受けて書影を表示できない場合があるらしい(このポストはどうかな?)。ほうほう、さすがグローバル企業の運営するSNSでは鉤十字不可なんですな。当然、ナチス式敬礼なども規制されるに違いない。

狂歌。「夜もすがらフジのけぶりも絶えにけり曇る間もなき空の望月」 (蛇足:前右大将頼朝「道すがら富士のけぶりもわかざりき晴るる間もなき空のけしきに」新古今・羇旅・975番) ...もちろん、「けぶりも絶え」たのは軽率な一部ネット世論の話で、現状ではスポンサーにとってはそうでもないようで。

不祥事釈明に夜通し会見したテレビ局経営陣に同情するのを判官贔屓で説明する向きがあるが、むしろ逆ではないか。権力者に迫害された敗者にではなく、権力者自身が糾弾される状況に陥るとき彼らに同一化してしまう現象だからである。よって、正しく「佐殿贔屓」や「右大将贔屓」と呼ぶべきなのである。 いわば「佐殿贔屓」は判官贔屓のカウンターであり、弟を殺した権力者が非難されるのを見て、「現場」責任者の彼にはやむを得ぬ事情があったのだ、そもそも殺したのはデマだったのだ、など勝手に感情移入する構造になっている。本件に限らず近年の主流は明らかにこちらで、本来の判官贔屓は廃れている。

実存思想協会より告知。「2025年3月15日(土)、東京大学駒場キャンパスにおいて春の研究会が対面式にて開催されます。シンポジウムのテーマは『地政学と歴史哲学』を予定しております」。続報を待たれたし。 jitsuzon.org/2024/12/27/1...

本件に関し、どうも最近はいきなり「原典(含翻訳)を読め」という態度は分が悪いようで、まずは入門書や概説書を勧めるのが主流らしい。しかし、低質な本(最近ならYouTubeも?)で知った気になった内容を得意げに吹聴する者が少なくないのを見ると、前者のようなハードル設定も不可欠である。 (1/2)

岩波文庫をすべて読めと説教する人がいるのは、よく言及される主要な古典的文献を網羅していると思われているからで、逆にその手の権威性が反発を生みがちだったりもするわけである。一方、個人的には少し違う感想もあって、その環境が確立したのはごく近年、2010年以降にすぎないのではないか? つまり、誰もが知るビッグネームなのに岩波文庫では読めない作品が結構あったのである。日本文学だと『太平記』、海外文学だとプルーストがそうで、思想分野ではフロイトやラカンが欠け、法学ではシュミットがなかった。それがこの10数年で一気に収録されたので、やや意外の感がなくもなかった。 (1/2)

ご挨拶がたいへん遅れ恐縮ながら仕事はじめということでお許しいただくとして、明けましておめでとうございます。相変わらずSNS離れがやみがたく、ツイート(ここは旧ツイッターのミラーです)のやり方も忘れてしまいましたが、最低限のアカウント保存はするつもりでいます。本年もよろしくお願いいたします。

こちらでフォロワーが急増して訝しんでいたものの、調べると、どうやら最初にフォローすべきアカウントのスターターパック(https://bsky.app/starter-pack/brighthelmer.bsky.social/3lbh4p6olmy26)に入れていただいたためらしい。下記のようにSNS自体から遠ざかっておりご期待に沿えるか不安ながら、発信を復活せよとの尻叩きと受け止めておく。

SNSも日に日につまらないどころか有害な場所になりつつあると思いつつ、あまりにも放置して消えたと思われるのも癪だし、出版やシンポジウムなどの告知をするとき伝わる相手が減る(投稿頻度が低いとそもそも表示されにくくなるんだっけ?)のも不本意だし、最低限のアカウント維持はせざるを得ない。

「才気にあふれ、洗練と豪奢を友にし、余裕と成熟をもてあまして酔狂におよび、その果てに本気の賭けを見出してきた文人たち」を「右」と思っていたのに、いつのまにか「ひどく貧相になり、浅く、乾いた、埃りむさいものになってしまった」、と彼が書いたのが2003年である。 / hhasegawa84.tumblr.com/post/3778951...

『奇妙な廃墟』の著者の訃報にはいくつか思うところもあり、その一つは、彼が「保守的であるとは審美的であること」のスタンスで執筆開始したころには本邦ではすでにそれが成立しなくなりかけており、後半生には完全に逆の状況に転じていた、という感慨である。近年の不調の原因がそれかは不明ながら。

下記を含む「裁判官の書斎」シリーズ全5冊を読むと(当該文章は1冊目、https://www.amazon.co.jp/dp/4326450282?&linkCode=sl1&tag=hhasegawa-22)、良質な読書家、倉田卓次がオタク第マイナス三世代(?)くらいに位置する存在であったのが実感できる。というか、90年代の文章では自身で「SFおたく」を称している。オタクにまだ可能性があった時代。

倉田卓次は朝ドラ主人公と同僚で、彼女の『追想文集』に「ナイロン・ブラウスがまだ珍しかった頃、ある日それを着てこられた。[…]ブラジャーすけすけのシースルーなので目のやり場に困った」なる記述を残している。追悼文に書くことなのか、と困惑しつつ、沼正三ならしかたないかという気にはなる。

そのようなご事情があったのですか(勝手に井上章一先生の影響を邪推しておりました)。当然、ドゥルーズ云々の話などする必要はないわけですが、仮にしたとしても、沼/倉田が日本人家畜化小説の影に日本人優越観を隠していたというご趣旨をむしろ補強したかと思い、余計なことを申し上げた次第です。 x.com/kawahara_azu...

しかし、『家畜人ヤプー』の作者が実際にドイツ語畑の法曹であるのなら、いよいよドイツ法学思想の観点から同作の再検討が求められよう(『SMの思想史』でも「主権」概念が論じられる)。結局、これもまた「男性同盟と母権制神話」(https://www.amazon.co.jp/dp/4588004417?&linkCode=sl1&tag=hhasegawa-22を参照)の一つの残響なのではあるまいか。

『SMの思想史』の沼正三論は、女性崇拝の背後に女性蔑視を、白人崇拝の背後に戦中派のナショナリズムを看取するもので、基本的に妥当な読みなのだろう。西側の女性の権利を見ると「女尊男卑」と受けとる者はいまもいるが、SNSでくだを巻くかわりにそれを一大妄想長篇に昇華できたのが沼/倉田だった。 一つ疑問なのは『家畜人ヤプー』が「マゾヒスト不在の世界」とされるところで、ドゥルーズを持ち出し(学統からして著者はそういうのが嫌い?)マゾヒズム=屈服に見せかけ相手を操作する「教育学的企て」と考えれば、あの演技のなかに日本人優越観を温存すると著者の論ずる沼こそ正統マゾヒストでは?

沼正三/倉田卓次への関心から河原梓水『SMの思想史』(https://www.amazon.co.jp/dp/4787210580?&linkCode=sl1&tag=hhasegawa-22)を読むと、自分がなんの根拠もなく言っていた話が厳密に論証されていた。同書は『奇譚クラブ』全号を博捜しており(矢代秋雄まで執筆者常連だったとは)、『ヤプー』のような小説が登場した文脈についても啓発された。

ちなみに、ドイツ語圏でのハイデガーに対する警戒感の一因は、ナチというより新右翼が自分たちの先駆者として彼の名を振りまわしているところにあると思われます。この辺の機微は本邦ではほとんど言及されていないので、さしあたり『ドイツの新右翼』(https://www.amazon.co.jp/dp/4787718274?&linkCode=sl1&tag=hhasegawa-22)第4章をご覧ください。

補足しますと、『黒ノート』の公刊以降、書評でも言ったように「ハイデガーの哲学自体がふたたび胡乱な目で見られるようになる」現象や、業界事情として専門のポストが減ったりする状況は生じたと思います。それでも「母国ドイツでは『触れてはいけない』哲学者となった」はさすがに煽りすぎでしょう。

しかし、コロンブス、ナポレオン、ベートーヴェンというのはいかにも脈絡がない人選で、子供向きの伝記や学習漫画の定番で「なんとなくみんなが知っているむかしの西洋人」だから、と説明されてようやく腑に落ちる。明治以来のその手の「偉人」カテゴリーがいまでも残っているのは意識していなかった。

日本のロックバンドが大航海時代の西洋人に自己同一化して「炎上」にいたるなら、どうせなら極東の島を「発見」したポルトガル人に扮して、内戦を繰り返す凶悪な原住民(類人猿?)に鉄砲を与えると即それで殺し合いが激化、捕虜を奴隷にも売りはじめた、というMVをつくればパンチが効いていたのでは。

今次EU議会選挙で極右が躍進、「ドイツのための選択肢」も国内で2位の票を得たのを受けて宣伝。フォルカー・ヴァイス『ドイツの新右翼』(新泉社、https://www.amazon.co.jp/dp/4787718274?&linkCode=sl1&tag=hhasegawa-22)では同党の思想的背景を分析しています。原著が2017年、翻訳も2019年ながら、歴史と政治思想の話はいまも参考になるでしょう。

念のため補足すると、シュラーゲターはフライブルク大学を中退後に義勇軍戦士となり、最終的にはルール出兵への抵抗でフランスに処刑され、第三帝国では殉教者扱いを受けていた人物であり、彼の履歴と英雄化過程についてはまさに@heero108.bsky.socialさんの『暴力の経験史』(https://www.amazon.co.jp/dp/4589037688?&linkCode=sl1&tag=hhasegawa-22)に詳しい。

下記でご言及いただいているのは、フライブルク大学学長時代のハイデガーが行ったアルベルト・レオ・シュラーゲター刑死10周年を記念する演説の試訳で、同大学への留学から帰国する直前の2017年初頭に作成してHDDに眠っていたもの。まあお見せしてもよいか、という気分になって昨年から公開している。 x.com/heero108/sta...

『籠釣瓶花街酔醒』の主人公「佐野次郎左衛門」は、史実の吉原百人斬りの犯人が下野国佐野の豪農兼博徒という次郎左衛門であったところから名づけられたらしいが、謡曲『鉢木』のシテ「佐野源左衛門」および田沼意知暗殺犯「佐野善左衛門」の神話的記憶を継承してしまったのがなんとも奇跡的に思える。 つまり、佐野源左衛門=不遇ながら誠実な男と、佐野善左衛門=乱心して要人暗殺テロを起こし「世直し大明神」と崇められた男から、容姿に恵まれなくとも内面は立派と自負して水商売の女に入れあげた挙句に振られて逆上、ついに殺人に及ぶも世のアンフェ連中から喝采を受けるおぢが合成されたのである。

ハイデガー研究会のオンライン誌『Zuspiel』第7号(2024年)に、ローレンツ・イェーガーによる評伝『ハイデガー:あるドイツ的なる生』(Rowohlt、2021年、未邦訳)の書評を寄稿しました。むろん著者は『ハーケンクロイツの文化史』の人で、同氏の最新刊になります。 heidegger2017.wixsite.com/mysite (1/3)

寝る間も惜しみ女叩きせずにはいられない者がおり、それが(元?)外国思想研究者という話を聞いて、どうせならミソジニーの思想史を研究すればよいのではないかと考えてしまった。テーマ的には重要だから真面目にやれば立場が異なる人からも重宝されようし、しかも競争相手の少ない穴場かもしれない。 (1/2)

芸能人の裏アカ騒動というと、学生時代の友人や業界関係者とのプライヴェートな交流のため使っていた私用アカウントがなにかの拍子に流出してしまった事例がまず想定される一方で、近年では匿名で一般の厄介ユーザーと同様の使い方をしていたのが露呈するパターンが何件か見られるのが新しい気もする。 SNSや動画サイトの勃興期に思春期を迎えた世代は特に、人格を公的/私的の二分法ではなく公的/私的/匿名の三分法で管理していて、芸能人になっても第三のそれを捨てたくない、素人のようにインターネット上に匿名で存在して「推し活」から悪口雑言まで好きにやりたい、と思ったりもするのだろうか。

「見わたせば山もとかすむみなせ川夕べは秋となにおもひけむ」後鳥羽院(新古今・春上・36番) 解釈。匿名でSNSや掲示板を荒らしたり同業者を中傷したりの悪行三昧を見渡すと、「その域に達していない」かの御仁も霞んでしまう。なぜ人間の失墜を秋の落日に譬えるのか、これぞ春の椿事ではあるまいか。

ご報告が遅れて恐縮ながら、前に触れた下記の件については、適切にご対応いただけた由。note運営者の髙橋氏に感謝を申し上げる。 bsky.app/profile/hhas... note.com/iovis_takaha...

このライターの著作一覧を見てみると、近年『ザイム真理教』なる本を出したエコノミストの監修で、10年前に反消費税を謳う新書を書いているようで、もしかして「源泉徴収はナチスの先進的な発明」と高い納税意識(?)を示しながら財務省陰謀論を唱えるようなおもしろい事態になっているのであろうか。

つくづく『ナチスの発明』とかいう半可通な本が垂れ流した害の大きさを思わざるを得ず、表紙に例のマークが載っているだけで同類視されたらと不安になる(笑)。ついでに調べてみると、日弁連元会長が同人物の別の著書を持ち上げた記事を発見してしまい、こちらも大丈夫? www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/...

「源泉徴収はナチスの発明」の謬説は給与所得者の不満を煽るために「ナチス=絶対悪」観を流用したものと認識していた。本記事によれば、いまでは納税を効率化する先進的発明と持ち上げるパターンも多いのだそうで。 gendai.media/articles/-/1...

なお、この『アンティゴネー』戯訳を提供したnoteというのは『鬼滅の刃』を扱った鼎談の前篇で、その後篇の方には私自身も呼ばれて出ております。3年前の記事でいくらか間があいているため、この機会に宣伝しておきましょう。一応それなりに目新しい指摘はしているつもり。 note.com/iovis_takaha...

この寺は元来が不祥事で有名だったそうながら、他方、なんでまたこんなものに到達して節分用のブログにパクろうとしたのか、純粋に興味もある。「鬼 名言」などで検索するとかかってしまうのか、あるいは下記の元記事(閲覧数はまあ多い)が我々の認識以上に読まれていたのか。 note.com/iovis_takaha...