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読んだ本のことなど書いています。
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妹に対しては本当〜に激務お疲れさまでしたという気持ちしかないけれど、しかし「7時半出勤で22時過ぎ帰宅の毎日、休みは月に4日間」という、誰かのサポートがなければ生活が到底立ち行かないような働き方を強いてくる妹の会社に対しては全く納得できない。 この数年間は、繁忙期の始まる冬が近づくと覿面に気持ちがふさいでくるのが自分でハッキリ分かるので怖くなる。 もちろん一番しんどいのは本人(妹)とはいえ、ケア側だって辛いし、こういう働き方がずっと変わらないのはおかしいよ……。

繁忙期をやっと脱した妹から、2ヶ月間の食事と生活サポートのお礼とのことで、ミモザのクッキー缶をもらいました。アイシングが可愛い。今日のおやつに皆で分けた。

2月に買った本。 評判は知っていたのにずっと積んでいたキム・チョヨプ『わたしたちが光の速さで進めないなら』を読んだところ、めちゃくちゃ最高で大好きなSF短篇集だったので、昨年冬に出た最新刊の『派遣者たち』を買ってきてすぐに読みました。 北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』は単行本を持っているけれど、増補分を読みたくて。めちゃボリュームアップしていて嬉しい。 4年ぶり?に再読したが、やはり素晴らしい批評集だと思う。

小学生の時になぜだか単純に信じていた、「私が大人になる頃には差別も偏見も悪いことだと分かっている人が多数派だから、世界は今より良くなっている」というあの頃の気持ちが、今でも折に触れて蘇ってくる。 20年以上経ち世の中は闘った先人のおかげで変わったけれど、でも今も問題山積だし自分が死ぬまでに景色が全然変わらないんじゃないかと、子どもの頃のあの感覚が過ぎる度に辛くなる。(そもそも差別とはそういうものではないとはいえ) こうして勝手に絶望することは絶対に良くないしむしろ害だしナイーヴすぎると分かってはいるけれど、でも日本も世界も日々起きていることがあまりに酷すぎて、気持ちが引っ張られてしまうよ……

『わたしの人生』ダーチャ・マライーニ/望月紀子訳 1943年、イタリアのファシスト政権への忠誠を問われた際に「ノー」と答え、両親と妹たちとともに名古屋の外国人強制収容所に抑留された日本育ちで当時7歳だった著者の、終戦までの2年間の壮絶な体験の回顧録。 ダーチャ・マライーニさんのことは以前の来日の時に新聞で読んだことがあったけれど、本書で初めて知ることも多く、過去に日本で起きたことを自分が「知らない」でいることについてずっと考えている。

最近読んだ本の中では、マルコ・バルツァーノ『この村にとどまる』がとても良かったです。 ファシズムとナチズムによって言語も娘も家族との生活も奪われ、戦後はダム建設により湖の底に消えたイタリア領ドイツ語圏のクロン村で生きたトリーナが綴り続ける、届くことのない手紙。 言葉の力を信じ、危険を犯して子供たちに母語を教え、どんなに過酷な状況でも手紙を書き続けてきたトリーナが、その言葉(手紙)を思い出ごと火にくべて燃やし消し去らなければ生きていくことができない苦しみが、抑制された文からこぼれ落ちる瞬間が忘れがたい。

確定申告、終わった〜! この一週間ずっと、除雪してもしても毎日降り続ける雪が嫌すぎて気鬱がひどく何も手につかなかったのに、今朝になって寒波の終わりが見え太陽の日差しが出たとたんに、俄然やる気が湧き起こって一気にやっつけられた。 良かったは良かったけども、年々メンタルが天候に左右されすぎるようになってきて恐ろしい。

この2年の失望もあってグラミーもオスカーも、賞レースにはもうあまり気持ちが入らないのだけれど、しかし私は子供の頃から日本の映画・ドラマ・アニメ・音楽には(ほぼ)全く触れずに育ったので、自分を作ってきたアメリカの文化の凝縮されたような賞レース系イベントからは問答無用にノスタルジーを喚起されて、堪らない気持ちになる。

大雪なので家でグラミー賞授賞式の録画を観て過ごした。 ザ・ウィークエンドのカムバックや、ビヨンセが獲った最優秀アルバム賞発表前の最後のパフォーマンスにチャーリーXCXの「brat」を持ってきたり、グラミー賞は変わりましたアピールが満載だったけれど、正直今年のグラミーはめちゃくちゃ楽しくて大興奮している。 パフォーマンスみんな良かったが特にチャペル・ローンのステージは最高だった! クインシー・ジョーンズ追悼メドレーでシンシア・エリヴォの「Fly Me to the Moon」に震えたら、トリには超かっこいいジャネール・モネイ! そして個人的DIVAの一人シャキーラの「Ojos Asi」に感激。

冬が来て雪すかしをするたびに、家の外構のコンクリートと側溝(グレーチング)の間に化粧板をあしらうことにした当時の自分の選択を後悔している。 除雪のラッセルスコップが化粧板の模様の凹凸にいちいち引っ掛かるためにスムーズに滑らず、本っっ当に無駄なストレス。今週は毎朝呪っている…… 雪が積もる地域に住む人は、除雪が必要なエリアの外構作りに化粧板を使うのはマジで本当にやめたほうが良いです!! というか業者さんには先に注意点も教えてほしかったよ。

うちの地域では今季一番積もった雪すかしをようやく終えて、コーヒーを淹れました。 今日のおやつはムーミンのシナモンクッキーとオレンジチョコレート。 早くもバレンタイン間近ですが、私はホリデーシーズンに買い込みすぎたジンジャークッキーを今もまだまだ食べています…🍪

昨日読んだアンソロジーの一篇で、語り手の男子大学生はおそらくゲイなのだけど、セクシュアリティによる彼の状況や心情が物語の中心にもかかわらず、はっきりとした言及は無いので全く気付かないまま読む人もいるのでは……とモヤモヤしてしまった。 
異性愛規範が全然まだまだスーパー強固なこの現状において、「分かる人には分かる」というような提示の仕方をされるとエンパワメントとも誠実とも言い難いというか、この書き方で分からなかった人にこそ知ってほしいのに。

1月に買った本。 昨年から刊行が始まった春秋社の「アジア文芸ライブラリー」は、チベット、台湾、マレーシア、インドネシアなどアジアの様々な地域の文学作品に触れられる貴重なシリーズ。 ぜひ長く続いてほしい。

『テヘランのすてきな女』金井真紀 「女性・命・自由」運動に参加した女性たちや、性暴力被害者のため闘う弁護士やコロナ禍でICUを担当した看護師、女子サッカーのイラン代表監督など多種多様な職業の人たち、イランへ逃れてきたアフガニスタンの人々、クィアの若者たちなど、2023年に訪れたテヘランで出会った様々な人たちを絵とともに紹介する、軽やかだけどものすごく温かくて力強いエッセイ。 女性の入浴施設であるハンマームや、金曜恒例ピクニックへの参加など、イランでの様々な体験が書かれたコラムも必見です。 『傷ついた世界の歩き方』より後のテヘランでの変化(ヘジャブ着用への警察の対応緩和など)も分かります。

『白い拷問 自由のために闘うイラン女性の記録』ナルゲス・モハンマディ/星薫子 訳 2023年にノーベル平和賞を受賞した人権活動家ナルゲス・モハンマディさんがイランの刑務所で人権が蹂躙されている実態を、今も収監中である自身の体験と、様々な出自と理由で収監された女性たちの証言を聞き書きしてまとめた本。 『傷ついた世界の歩き方』で著者デゼラブルが出会った、「女性・命・自由」のスローガンを呼びかける動画を発信する若い女性フィルゼが、死は恐れていないが投獄は恐れていると言っていたけれど、彼女が万一収監された時に備えて詩を学び暗唱に努めていたのは何故なのか、本書にはその切迫感の理由が書かれています。

早くも1月が終わりかけており恐ろしいのですが、お正月に読んだ2025年最初の一冊はフランソワ=アンリ・デゼラブルの『傷ついた世界の歩き方 イラン縦断記』でした。 フランス人の著者が2022年、マフサ・アミニの死に端を発した「女性・命・自由」運動が全土に広がったイランの町を東から西の端まで巡る中で出会った人々を通して、抑圧に抵抗する姿をはじめイラン国内の実情が見えてくる。 ユーモアとエネルギーに溢れた、軽妙な語り口だけれどとても真摯な旅行記です。

現職の政治家がSNSで特定の個人への脅迫行為を大っぴらに行っているのに何も処断されない現実に、昨日からずっと気持ちがザワザワする。 逮捕されることもなく、リコールの動きが起きることもなく、アカウント凍結すらもされない。何も機能していなくてありえない。 実害を受ける人が存在するからには当該のSNSを自分は見なければいいというものでもないし、一部の者たちによるネット上限定の醜悪な悪言だとは看過できないような選挙結果や事件があちこちで起きているし、こうした類似の事案が次から次へと出てくる状況が本当に嫌すぎて落ち込む。

落雷で破損したテレビの修理に来てくれた業者の人が、マンスプレイニング全開な上にタメ口でしかも「おネエちゃん」呼びしてくるおじさんで、この時の嫌な気持ちが数日経った今でも尾を引いている。 テレビや電子機器についての説教どころか、なぜか「おネエちゃんさあ、雪道では◯◯しないとダメなんだよ?分かってる?」と雪への備えのマンスプまでされて(私だって生まれも育ちも北陸で生きてますけど!?)、生活習慣や職場を訊き出そうとしてくるのも無理すぎた。 仕事や外で出くわすのも嫌だけど、自分の家の中でくらうのは余計にダメージが大きい……。何より怖いし。 こうやって反芻して最悪な気分を再生産していることも悔しい。

そして『死者を動かすもの』を読みながらとある本を思い出していたら、あとがきで作者自ら当のその本、シルヴィア・モレノ=ガルシアの『メキシカン・ゴシック』を今すぐ読んで!と書いていました。 『メキシカン・ゴシック』はゴシック小説特有の舞台の中で、しかし女性が犠牲となるゴシックの「お約束」を吹き飛ばすフェミニズム・ホラーなので超オススメです!

ポオの『アッシャー家の崩壊』をモチーフとしたホラー中編、T・キングフィッシャー『死者を動かすもの』が面白かったです。 語り手であるイーストンが選択した生き方の設定がとても良かった。冒頭で出会ったある人物との会話からして完璧な始まり。 このキャラクター造形を明かせば読みたくなる人が絶対にたくさんいると思うものの、でもこれは事前情報なしに読み進めるほうが良いし……というジレンマが。 とっても素敵な中高年女性が登場するのも良かったです!

雪が積もった日の朝に感じる非日常的な特有の雰囲気はとても好きなのだけど、わだちでガタガタになった凍結した路面を運転するのが怖くて嫌すぎるせいで、雪が降ると自分でも驚くほど気持ちが塞いでしまう……。 土曜出勤の妹を大雪の中、ご近所は皆さんお休みだからうち以外はまだ誰も雪すかししていない早朝に送り出すのも、いつも心配。 4WD車でも未除雪の深い新雪の道を走ると普通にハマるので、大通りに抜けるのを見届けるまで毎回ハラハラする。

今年初の本屋へ行って、ハン・ガン特集の『ユリイカ』1月号を買ってきました。 ノーベル文学賞発表の直前に行われたインタビューや、斎藤真理子さんと宮地尚子さんの対談、そして表紙に書かれている9人の寄稿者以外にも崔誠姫さんや奈倉有里さんや古川綾子さんなど他にもたくさんの方のエッセイが載っていて、すごい特集だ〜!

妹が仕事始めなので、私も今日から通常通り。 今年はToDoリスト用の手帳を買ったので(普段はメモ帳をちぎって使い捨てていた)、うまく使ってみたい。

2024年ベスト本の感想をツリーに繋げようと思ったけれど、文芸作品の感想はほとんどポストできていなかった……。 今年はもう少し書き残していきたいな。

年が明けてしまいましたが、2024年に読んだベスト本。 例年はその年に発売された本の中から選ぶようにしていたけれど、積読本から読んだ中でどうしても入れたい本がいくつかあったのでこうなりました。

#2024年の本ベスト約10冊 ◆『楽園の夕べ』ルシア・ベルリン ◆『恐るべき緑』ベンハミン・ラバトゥッツ ◆『ハリケーンの季節』フェルナンダ・メルチョール ◆『マーリ・アルメイダの七つの月』シェハン・カルナティラカ ◆『別れを告げない』ハン・ガン ◆『とるに足りない細部』アダニーヤ・シブリー ◆『人類の深奥に秘められた記憶』モアメド・ムブガル・サール ◆『ソフィアの災難』クラリッセ・リスペクトル ◆『歩き娘 シリア・2013年』サマル・ヤズベク ◆『ナイルの聖母』スコラスティック・ムカソンガ

#2024年の本ベスト約10冊 エッセイ・人文書から ◆『ナイス・レイシズム なぜリベラルなあなたが差別するのか?』ロビン・ディアンジェロ ◆『フェミニスト、ゲームやってる』近藤銀河 ◆『〈寝た子〉なんているの? 見えづらい部落差別と私の日常』 上川多実 ◆『韓国の今を映す、12人の輝く瞬間』イ・ジンスン ◆『目の眩んだ者たちの国家』キム・エラン他 ◆『隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ』斎藤真理子 ◆『あらゆることは今起こる』柴崎友香 ◆『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす 正義の反対は別の正義か』朱喜哲 ◆『ゴシックと身体』小川公代 ◆『誰のためのアクセシビリティ?』田中みゆき